【マイナカード最強】転居時の手続き、面倒さは緩和の方向へ

転居には面倒な手続きがつきものである。今回、久しぶりにそれを体験した。
時代の変化とともに、劇的に楽になっている手続きもあって、悪いことばかりでもないなと思った。

転出届はついにオンライン対応

まず、何はともあれ自治体への転出・転入届が必要だ。

転出については、転居予定日のしばらく前から手続きができるので、まだ荷造り作業に余裕のあるうちに役所に出向いた。
基本的には「出て行きますから」という申告だけなので、提出すべき用紙もあまりない。大体のものは「転入先で手続きしてください」と言われて終わりだ。

「出て行きます」だけだったら、別に役所へ行かなくても、もっと簡単に手続きができないのか――そう思っていたら、次の転居の際にそれが実現していた。マイナンバーカードがあれば、マイナポータルから転出届を出すことができるのだ。これで、転居元の役所へ足を運ぶ必要はなくなる。
なお、転入に関しては依然、役所へ行くことが必須で、マイナポータルでできることは「いつ役所に行くか」という予告だけだ。ただ、私一人の登庁で家族全員分の用が足りたのでまだ許せる。マイナンバーカードの住所変更も代表者一人の登庁でできる。

転入はオンラインでは済まないが……

転入に関しては、純粋な転入届のほかにいろいろやることがある。

まず、マイナンバーカードがあれば、その住所変更を行う。
面倒な手続きが一つ増えたようにも思えるが、新住所の入った強力な身分証明書を早い段階で手にできるというのは、後の各種住所変更にあたって強力な武器となる。真っ先にやるべきだ。
今回、転居時点でマイナナンバーカードを持っていたのが私だけだったので、妻名義の銀行口座の住所変更で大いに苦労することになった(後述)。

次に医療費補助の手続きが必要だ。
子供がいれば大抵は市区町村から医療費の補助があるだろうから、その手続きが必要となる。早めに手続きをしないと、新しい医療券が届く前に通院の用事ができてしまって面倒だ(一旦は正規の額を支払い、あとで差額を返してもらうという手続きが必要になる)。
これに加え、我が家の場合は妻の難病に対する医療費補助や市区町村独自の手当もあり、個別に手続きが必要だった。

あとは印鑑証明。
これは必須ではないが、旧住所で登録した印鑑証明は転居とともに無効になっているため、必要ならば新住所であらためて登録する必要がある。
転入の時点で家を売ることが分かっていたので、転入届と同時に(無意識のうちに)手続きしていたようだが、実際に家が売れたとき「あれ?印鑑登録したっけ?」と不安になり、無駄に役所の窓口へ問い合わせてしまった。

その他、認可保育園なり公立の小中学校なりに通っていればその手続きもあるだろうし、ほかにも人によっていろいろありそうだ。
いずれも、頑張ればオンラインでできそうではあるが、マイナンバーカードに関しては、厳密な本人確認という意味で、対面での手続きが必要だという言い分も分かる。

運転免許証は最強の身分証……だった

さて、公的な証明書類では、次に重要そうなのが運転免許証だ。

水戸黄門の印籠のように、見せれば大抵の本人確認をパスできるという運転免許証だが、住所変更は意外にユルい。
マイナンバーカードがあればもちろんOKだし、そうでなくても新しい住民票を持参すれば、妻の免許証も含めて最寄り警察署ですぐ住所変更できた。

マイナンバーカードがない場合、運転免許証は各種の住所変更に対して最強のカードといえる。役所に転入届を出したあと、その足ですぐさま警察署に向かったのはそのためだ。
一方、マイナンバーカードがあるのなら運転免許証の重要性は相対的に低く、何かのついででもいいや、という気分になる。実際、マイナンバーカード取得後の転居では、運転免許証の住所が古いままで困ったことは何一つなかった。

その直し方、あってますか? 健康保険証の正しい住所変更法

公的な証明書といえば健康保険証もあるが、最近はマイナンバーと紐付いているので、社会保険であれば単独での手続きは不要な場合が多いと思う。

そう、健康保険証という「証明書」があるにもかかわらず、住所変更の手続きがいらないのである。
前から「いい加減だなあ」と思っているのだが、健康保険組合の健康保険証の住所は「自分で手書きして直せ」ということになっている。つまり、住所が変わっても自分で書き直すだけ。
しかも、書き直さなくても病院で診てもらえないということはまずないので、しばらく書き直しを忘れるのが常である。

そんな健康保険証だが、住所を書き直す際に隠れた注意点があるのをご存知だろうか?
言われてみれば納得なのだが、旧住所は抹線(取消線)で消さないとダメだ。病院で怒られたことはないのだが、何かの手続きの際に、そのような指摘を受けたことがある。

「通知カード」は、転居した時点で単なる紙切れ

あとは民間関係の手続きなのだが、銀行の住所変更が地味に大変だった。
金融関係の住所変更では大体マイナンバーが絡んでく。ところが、マイナンバーカードがない状態で転居すると、マイナンバーを証明する書類が何もなくなってしまうのだ。

通知カードは「仮会員証」

マイナンバー制度が始まった当初、各人に対してマイナンバーを記した「通知カード」というものが郵便で届いた。
カードといっても単なる紙で、写真はついていない。当座はこの通知カードを用いてもいいが、いずれは写真入りのマイナンバーカード(ICカード)を作ってね、というのが国の目論見であった。紙の通知カードは、いわば「仮会員証」という位置付けだ。
しかし「本会員証」であるマイナンバーカードを作るには、一度は本人が役所へ出向く必要があり、妻にとっては相当高いハードルである。そのため、妻と息子はこれまで紙の「通知カード」でしのいできた。実用上もそれで特に問題なかった。

ところが、転居した途端に困ったことが起こる。通知カードは旧住所宛に送られてきていたので、現住所とは不一致ということになるのだ。
通知カードは、宛先の住所と現住所が同一であるときにのみ、本人確認書類として機能する。通知カードはあくまで「仮会員証」だから、住所変更の手続きはできない。
この状態で、現住所とマイナンバーの組み合わせを証明するには、マイナンバーの記載がある住民票の写しを取得するのが最も手っ取り早い。しかし有料である上、私たちの住んでいる自治体では、マイナンバー入りの住民票の写しはコンビニのマルチコピー機では入手できないということになっていた(自治体によっては可能)。

銀行口座の住所を変更できない!?

前置きが長くなったが、某メガバンクの住所変更で一悶着あった。

妻は某メガバンクでネットバンキングを利用しているので、その中で住所変更できることを期待していたのだが、できない。投資信託の口座を開いているらしく(今は休眠状態)、個人番号の分かるものを送る必要があるとのことだ。
マイナンバーカードがあれば一発だったのだが、手元にあるのは旧住所宛の「通知カード」のみ。ない場合には「マイナンバー記載入りの住民票の写し」が必要ということになったが、そんなものは取得していない。

コールセンターに電話して、郵送あるいは代理人の来店なら何とかならないかと聞いたが、そもそもネットは不可、来店なら本人でないとダメ、郵送は不可といった回答。そんなことなら投信の口座を閉じるよと言ったら、それも本人の来店が必要だと。
どれかの回答は誤りだったようにも思うが、とにかくマイナンバー入り住民票の取得を回避しようとしたところ、大変なことになってしまった。

観念してマイナンバー入り住民票の写しを入手し、ネットバンキングから手続きしたら無事に住所変更できたのだが、この一件で考えが変わった。一度だけ(妻が)我慢して役所へ行き、マイナンバーカードを作った方が、トータルでは楽だ。カードを持つコストが持たないコストを上回ったと感じた。
実際これは正解で、2年半後に再度転居した際には、マイナンバーカードの恩恵を十分に受けることができた。また健康保険証としての利用も本格開始されたので、複数の病院にかかっている妻は、今後、医療情報の連携について期待が持てる。

【ニュース】銀行の住所変更が楽になる!

その後、さらなるニュースが舞い込んできた。
今後、マイナンバーカードの住所変更を行えば、銀行や保険各社の住所変更が自動的に行われるようになるというのである。
詳しく調べてみると、本記事執筆時点ではあくまで「そういう仕組みを国が作った」というだけであって、実際には銀行側の準備が整うまでまだ少し時間がかかりそうな雰囲気だった。
ただ、早晩この仕組みが動き出すことは間違いなく、マイナンバーカードを持つことによるメリットをより感じられるようになる。

――と、ここまで書いていて、保険会社の住所変更を軒並み忘れていたことに気付いた。銀行、証券会社までは忘れずに手続きしたのだが。金融関係の住所変更の中ではこれが一番忘れやすいかもしれない。

余談:登記情報の変更には「住民票コード」が必要!?

最後に、不動産の登記について調べたときに「えっ」と思ったのだが、不動産登記の住所変更の際、マイナンバーは役に立たず、今どき誰も使っていなさそうな「住民票コード」が用いられているのだという。

「住民票コード」とは、住基ネット導入時に割り振られた番号で、特に指定すれば住民票に印字することができるが、ほとんど目にした覚えがない。マルチコピー機で住民票コード入りの住民票を取得できる自治体もほとんどないと想像する。
住民票コードとマイナンバーが併存していることも含め、お役所仕事だなあと感じさせられる一件だ。