今時のウェブで本を書きたい初心者に贈るSEOガイド (1) 起こったこと

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基本スタンス

まず最初に前提を述べておく。すなわち私がどういうスタンスで文章を書き、ウェブに公開しているかということだ。

私が記事を書いて公開する理由。それは、記事の内容が他者にとって有益な情報だと信じるからだ。
たとえば自らの経験談。他者が私と同じだけの時間をかけて同じ体験をする代わりに、記事を読んで擬似的に体験してもらう。事柄にもよるが、一般的には有益といえるだろう。
あるいは何かに関する調査研究。これも、同じことをやろうとすれば時間がかかる。バックグラウンドの知識がなければ、そもそも同じ調査をすること自体が不可能だ。調査研究の成果を分かりやすく示すことは一般に有益だと考えられる。

と、ここまで高尚な内容であったが、一気に俗っぽい話になる。

広告料は欲しい。

別に広告料でなくてもいいのだが、有益な記事を公開するからには対価が欲しい。そしてそれは決して強欲ではない。それが今のところの私のスタンスである。

この件に関しては、書き始めたらだいぶ長くなってしまったので、第3部で延々と主張することにする。

サイト制作計画

以上の基本スタンスを理解してもらったところで、本題。
今回、当サイトを立ち上げてからしばらく、いや今も継続中の悪戦苦闘について、その経緯を紹介したいと思う。

本を書きたい!

もう数年前になるが、持ち家を売って、賃貸住宅に引っ越すという「事件」があった。「家は一生で一番高い買い物」などと言われる。家を売ることも、これに匹敵する大事件だ。
多くの人にとって、一生のうちに何度も経験することのない一大イベント。その一部始終を記録し、経験から得た気付きを、後に続く人に活かしてもらいたい。元々、日々の生活から得られるtipsをウェブで公開していたので、「持ち家を売って賃貸に引っ越す」という出来事を文章にして公開することはごく自然な流れだった。

分量的にも内容的にも、これは1冊の「本」になる。最初からそういう予感があった。だから独立した記事の集合体ではなく、ストーリー性のある「本」をイメージして書き始めた。
草稿を書き上げたところでサイトの構築を始めた。この時にも「本」を意識した。頭の中に「本1冊=サイト1つ」といったイメージがあり、それを具現化していった。
その結果が、今あなたが見ているこのサイトである。

既存サイトのサブドメインで順次公開

URLは見てのとおり、私の所有する既存ウェブサイト「kengyo-syufu.com」のサブドメイン「re.kengyo-syufu.com」とし、既存サイトとは別のコンテンツであるということを強調した。ここに大きな問題があった気もするが、当時はそれに気付かなかった。詳しくは第2部に記す。

草稿はあるのだから、「本1冊」を丸ごとまとめて公開するという方法もあった。しかし過去の経験から、「更新が活発なサイト」の方がGoogleに評価されると考えた。そこで週2本のペースでコンスタントに記事を公開していくことにした。

インデックスされない

ここまでは計画どおりだったのだが、ここから先が計画と全く違った。
サイトを作ったのに、Googleにインデックスしてもらえない。つまり検索結果に私の新しいサイトが現れない。その結果、公開から数ヶ月経っても、誰も読んでくれないのである。

被リンクからの流入か、検索エンジンからの流入か

新しいサイトを作った際、読者はどのようにしてそのサイトに到達するか?
大きく分けると「他サイトからのリンク(被リンク)」「検索エンジン経由」の2種類がある。

前者について私ができることは、既存サイト(親サイト)である「kengyo-syufu.com」に、新サイトへのリンクを設置することぐらいだ。
XだのInstagramだの、SNSをやっていればそこで宣伝するという方法もある。が、私は社会とのつながりを持ちたくないのでSNSはやっていない。

そして後者については、GoogleやBingに「こんなページができました」とお知らせすることが有効だ。確実にその存在を認知してもらえる。もちろん、これはすぐさま実施した。

頼みの綱は検索エンジン

流入経路は一応2種類あると書いた。しかし前者について、アクセス数は正直言って期待できない。
私の所有する既存サイトにはそれなりのアクセス数がある。しかし、これまで書いてきた記事は単発のネタが多い。ほとんどが検索エンジンからの流入で、1記事読んで目的の情報を得たら帰っていく。こうした人たちが、ついでに「家を売った話」を読んでいくとは思えない。
つまり、既存サイトに設置したリンクは誘客にはあまり寄与しないと考えられる。

こうなると頼みの綱は検索エンジンである。新しいサイトが検索結果の上位に表示されるかどうか。これによって読者数が大きく変わってくる。
もし新しいサイトが検索結果に全く表示されなければ、サイトに読者は来ない。つまり存在しないのと同じだ。大袈裟に言えば、Googleが新サイトの生殺与奪の権を握っているわけである。

そもそも検索対象にならない

であるから、記事を公開し始めてからは毎日のように「Google Search Console」をチェックしていた。ウェブサイト運営者にはお馴染みのツールである。自分のサイトのうち何ページがGoogle検索の対象としてインデックスされているか。また各ページが検索結果に何回表示され、何回クリックされたか。こうしたデータが随時更新される。ちなみにBingにも似たようなツールがある。

サイトの存在をGoogleに知らせたから、すぐに書く記事がインデックスされるはず。そう考えたが甘かった。新たな記事を公開してもインデックスされないのである。
さらに、一旦インデックスされた記事が「未登録」に変わることも多発した。

サイトを作る段階で、平均2000字超の記事を50本書きためていた。これらをほぼ公開し終えた時点で、Googleにインデックスされているのはトップページだけ、という時期もあった。これはもう悪夢でしかない。
インデックスされなければ、当然、誰も読みに来ない。Wordpressには記事ごとの閲覧数が表示されるが、多くの記事の閲覧数はゼロのままだった。

実験と観察

より具体的に、この時期のことを説明しよう。

新記事を順次公開してもインデックスされない時期には、ほとんどのページが「検出 – インデックス未登録」に分類されていた。
これは、Googleがページの存在自体を認識しつつも「クロール」を行っていない状態だ。クロールというのは、Googleが記事の中身を読んで解釈し、重要ワードを洗い出して(インデックスする)、それを検索のためのデータベースに登録すること、と考えればよいと思う。

私も手をこまねいて見ていたわけではない。私なりに原因を推定し、それを一つずつ潰していった。
そして最後に残った推定原因は「記事のクオリティ」と「サイトの実績」であった。

以下、長くなるが、原因推定に関する私の悪戦苦闘を振り返る。

仮説1 技術的問題

当初、問題の原因はサイトの作成方法などに問題があるためだと考えた。つまり技術的な問題でGoogleがクロールできない状態にあるのでは?ということだ。

WordPressのマルチサイトが良くない?

一つ思い当たるのは、当初、「re.kengyo-syufu.com」がWordpressの「マルチサイト」機能で実現されていたということだ。
通常、Wordpressのアプリみたいなものは、1つのサイトにつき1つインストールが必要だ。しかし最近は「マルチサイト」という機能があり、1つのWordpressアプリで複数のサイトを運営できるようになっている。今回はこれを利用した。
ところが、マルチサイトが比較的新しい機能のためか、プラグインの中にも対応していないものが結構あった。ひょっとしたらGoogleのクローラも、このマルチサイトに対応しきれていないのではないか?と思ったのだ。
そこで、重い腰を上げて一からサイトを作り直した。新たにWordpressをインストールし、そこへコンテンツを移したのだ。この際に短めの記事を統合し、各記事が2000字以上になるよう多少のリライトも行った。
しかし、効果はほぼなかった。相変わらず「検出 – インデックス未登録」が大多数を占めている。ということは、マルチサイト機能が原因ではなかったということになる。

サイトのレスポンスが遅い?

また、クロールできない原因の一つとして「サイトのレスポンスが遅い」ということもあるという。読んで字のごとく、重いサイトはクロールしてもらえないということだ。
当初、私のサイトにはコンテンツ以外のいろいろなものがあった。まずGoogle AdSenseの広告を設置していた。また各種SNSへの転載を促すようなボタンもありったけ設置していた。
しかし私のサイトはGoogleにクロールしてもらえない。調べてみるとレスポンスは余りよくない。この程度の重さで全くクロールされなくなるのか?という疑問は正直あった。が、問題の切り分けのため、どうにかこれを改善する必要があると思われた。
そこで、AdSense広告もSNS関連ボタンも一旦全部消した。また、これと前後してレンタルサーバの性能が上がり、レスポンスはかなり改善した。
するとどうでしょう! ――何も変わらなかった、のである。ということでこの線も消えた。

仮説2 記事に価値がない

「検出 – インデックス未登録」となる原因は何ですか?

何度となく、このような検索を試みた。

いくつものページを読んだが、必ず最後に書いてあるのは「あなたのコンテンツに価値がないから」という冷酷なフレーズである。

正確には「Googleから見て、価値があるように見えない」ということであって、人間様の価値観とイコールではない。
それは分かっているつもりだが、正直、大いに凹む結果である。かなり推敲もして、自信を持って世に送り出した「1冊の本」が、クロールされるまでもなく無価値であると判断されたのだ。中身を読まずにどうやって無価値と判断しているの!?とツッコミを入れたくなるが(本クロールの前に仮クロールみたいなことがあるのだろうか)、ともかく消去法でいくとこの線が濃厚だ。

考察:過去との比較

ここから、実験の結果を考察していく。
今のところ「記事のクオリティが低い」ことが原因と思われるが、本当にそうなのか。他に原因はないのか。そういったことを以下で検討する。

私の記事は本当に無価値?

「お前の記事に価値はない!」と言われて、真っ向から反論するだけの証拠はない。
自分としては頑張って書いているつもりだ。しかし客観的に見てクオリティが低いのだと言われれば「そうですか」となる。

いや、でも、よく考えるとやはりおかしいではないか。同一人物(私)が別のサイト(既存サイト)に載せた記事は問題なくクロールされ、インデックスされているのである。
ふつうに考えると記事自体のクオリティに差はない。よって記事のクオリティが原因ではない。はい論破ー。

あと一つ、補足的に言わせてもらうと、Googleがかたくなにクロールを拒んでいた我が記事を、Bingは結構クロールしてくれていた。つまりBing的には「価値あり」との判断である。ありがとうBing。
ただ、検索エンジンとしてのシェアに歴然とした差があるせいか、Bingからの流入は今も昔もほぼゼロだ。

「実績不足」だけでは説明がつかない?

ここからは推測になるのだが、Googleがインデックスするか否かの判断基準としては「記事のクオリティ」に加え「サイトの実績」があると思う。
既存サイトはすでに実績を積み重ねているから、私のクオリティでもOK。新サイトの方は実績がないから、現状のクオリティではNG。そういうことだと思われる。

SEOを少しでもかじったことのある人は「何を今更、そんなの常識だ」と思うだろう。
意地悪な言い方をすれば、超有名サイトのクズ記事はインデックスされるが、弱小サイトのちょっと良い記事はインデックスされない。Google検索とはそういう世界だよ、と。

しかし、やはり納得できないのだ。数年前は、新規サイトに投稿した記事が難なくインデックスされたじゃないか、と。
私の「記事を書く能力」は数年前とほぼ変わらない。数年前に立ち上げたサイトはすぐにGoogleにインデックスされた。しかし今、同じクオリティの記事を新規サイトで公開してもインデックスされない。このことをどう説明すればよいのだろうか?

結論

以上から、私が得た結論は次のとおりだ。

最近のGoogleは、新参者に厳しくなっている。

私はここ10年弱、複数のサイトを運営してきた。が、サイト立ち上げ時にここまでインデックスされなかったのは今回が初めてだ。

逆の言い方をすれば、最近のGoogleは既存サイトに「既得権益」を与えすぎている。

最初はどのサイトも新規なのだから実績はない。そこで辛抱して10記事、20記事と公開していけば、新規サイトの「実績」は徐々に積み上がっていき、あるところで臨界点を超える。つまり、新しい記事を公開すれば直ちにクロールされるようになる。私は過去のサイト運営からそのようにイメージしていた。
しかし今回、50記事10万字を公開してもGoogleはびくともしない。その一方で、数年間ほったらかしの我が既存サイトは未だにインデックスされたままで、検索からの流入もそれなりにある。これを既得権益を言わずして何と言おう。

 

以下、第2部へ続く。

今時のウェブで本を書きたい初心者に贈るSEOガイド (2) 対策
第1部では、本サイトの記事がGoogleに無視され続け、訳も分からず悩んでいた時期のこと(愚痴)を長々と書いた。 ここからの第2部では、本サイトが最悪期を脱するまでに私がやったことを述べていく。 とにかくリライトせよ まずは記事のリライト(...
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