- 賃貸住宅に入居したが、ハウスクリーニングが不十分だった
- 堪えかねて自腹でクリーニング業者を呼んだが、やはり仕上がりに不満
- 結局、原因を突き止めて清掃できるのは住人。人任せでは限界がある
入居早々に、一見きれいな浴室のクリーニングを外注することになった。
このページからいきなり読み始めた方のために、念のため解説しておく。
最近、多くの賃貸物件では、退居時に入居者負担でハウスクリーニングを行う契約になっている。つまり、部屋を出て行くときに、それまで住んでいた人がお金を出してハウスクリーニングを行う。
今回の物件もこれに該当するので、入居時にはプロによるハウスクリーニングが完了している、はずであった。
クリーニング済みの浴室をクリーニングする
別記事に書いたとおり、この部屋は入居時に掃除漏れが散見される状況だった。
浴室に関しても、ぱっと見は綺麗なのだが、妻がシャワーをしていたら、どこからか海苔のような、あるいはピンク色の塊のような汚れが出てきたという。しかもそれは最初の1回だけではなかった。何度入ってもちょっとずつ出てきて、いっこうに収まる気配がない。鏡の裏に汚れが溜まっているのではないか?というのが妻の見立てだった。
もう我慢ならない、自腹でいいから風呂場のクリーニングを頼んでくれ。そう妻に言われ、勤務先の福利厚生制度で多少の値引きがある大手某社に依頼したのだった。
数日後、クリーニング業者がやってきた。クリーニング中、何をやっているかは逐一見ていなかったが、1時間ちょっとで作業は終わった。見に行くと確かにきれいにはなっていた。
シャンプーなどを置く台が風呂場にあると思う。これについて「取り外しづらいんですが、頑張って取り外しました! でも素人がやったら部品が割れるかもしれないので気をつけてください」とアピールされた。
また、汚れの発生源ではないかと疑っていた鏡は、風呂場の壁に貼り付けてあるので取り外せない構造であり(確かに厳しそうだ)、ここが原因とは考えにくいとのこと。
ともかく、見た目上は元々あまり汚れていなかったものが更にきれいになった。妻も一旦は納得した。
プロの風呂掃除がこのクオリティ?
しかし数日後、何気なくドアの下部にシャワーを当ててみた。すると妻が言っていたようなゴミが出てきた。何だ、ここ掃除されてないじゃないか!
確かに、掃除中にドアを外しているふうではなかった。それが値段相応ということなのかもしれない。が、プロといっても意外と大したことはしていないのだな、と思った。
自分でやってみたら簡単だった
こうなると意地だ。汚れを完全に除去すべく、ドアを外すことにした。
ドアの外し方は大体ドア付近に表示があるはずだ。重さにもよるが大人一人でも可能な場合が多いと思う。
外してみるとやはり、ドアの下部、溝のようなところに汚れが溜まっていた。いつもなら隙間から手探りでシャワーを当てるしかないところ、今日は「患部」が丸見えだからブラシでこすり放題。文句なしに綺麗になった。
また、業者がドヤ顔で「苦労したけど何とか外しました!」と言っていたシャンプー置きも、あらためて見てみると、元々、日常的な掃除で外せるような構造になっていた。慣れると数秒でとれるし、特に力も要らない。業者が取り外したときは久しぶりの掃除で渋くなっていたのかもしれない。
取説に清掃方法が載っていた
その後しばらくして、配管が臭ってきたことがあった。
そこで排水回りについても、ユニットバスの取説を見ながらフル分解。汚れをブラシで掻き出した。出てきたものはまさに「積年の汚れ」といった風だった。例の業者がどこまで清掃していたかは謎である。
ただ、その後も結構なスピードで汚れが蓄積されていき、1ヶ月に1度の掃除では間隔が長すぎるようだった。だから業者はちゃんと綺麗にしていったのかもしれない。
掃除のプロも、我が家では素人
これらの経験から言いたいことは一つ。標準的なハウスクリーニングを過信してはいけない。
プロだから、ぱっと見て分かるところは綺麗に仕上げるだろう。逆に一般の人が滅多に見ないようなところは掃除をしていない可能性が高い。
見えない部分で気になるところがあれば、事前に「ここは掃除できますか?」「ここを重点的に掃除してほしい」と言うべきだ(今回は発生源が特定できていなかったので仕方がないが)。そして、その部位に対応した業者選びも必要になってくるだろう。特に配管まわりについては、別料金になったり、そもそも対応できない業者があったりということが想定される。
真の清潔は他人任せにできない
そして結局のところ、自分の家の設備を一番よく「知り得る」のは住人である。
掃除のプロといえども、初見の現場でツボを押さえたクリーニングを行うのは難しいと思う。取説や普段の掃除から情報を得られるという前提条件をおけば、住人に一日の長があるといえるだろう。
一方、住人といえども、自分の見える範囲だけを漫然と掃除しているのでは問題の根源にまで至らない。「説明書なんて見なくても使える」と思われがちなユニットバスにもちゃんと取説があり、開けば清掃方法が載っている。「どうも風呂が汚い」と思った場合、そこにヒントがある可能性もある。住人の努力なくして真の「清潔」は得られない。
風呂場の清掃については、この後に住むことになった別の物件でも一悶着、いや大変なドラマがあり、つい熱く語ってしまう。そちらの「ドラマ」もいずれ記事にしたいと思う。