NHK解約は難しい? 解約したら二度と催促は来ない? 実際にやってみて分かったこと

ここ10年近くテレビのない生活をしている我が家だが、転居を機に、ようやくNHKを解約することができた。
解約するのに一苦労したという話も聞くだけに、かなり身構えて臨んだのだが、結果的には特にトラブルになることもなく、すんなり解約できた。
しかし解約後も一生、面倒は続くことが分かった。

大前提:テレビを受信できる機械は1台も持ってはならない

まず大前提として、NHKを解約するためには、家庭内に「テレビ放送を受信できる機器」が全くないことが必要となる。
一般的なテレビが存在しないことは当然として、パソコンでテレビを見るためのチューナーや、携帯電話の「ワンセグ」機能もあってはならない。

一方で、インターネット経由でNHKの放送を見られる「NHKプラス」アプリのインストール状況は特に問われない。ひとえに放送法の規定(とその運用解釈)によるものだが、一般人の感覚からすると今ひとつ納得のいかないルールだ。

ともかく、機器の排除を進めることにした。

「テレビを捨てた証明」が「テレビを持ってない証明」になる謎理論

我が家にあったテレビ受信機のうち液晶テレビについては、転居を機に処分した。
その際に重要なのは「証拠を残すこと」である。

最近は、テレビを捨てる際には「家電リサイクル」を行う責務があり、リユースでなければ家電リサイクル券の購入が事実上必須となっている。
これは、NHKの解約にはむしろ好都合である。「家電リサイクル券の控え」という証拠品が手元に残ることで、「テレビを捨てた」という事実を客観的に証明できるからだ。

「テレビは知人に譲りました、だからもう家にテレビはありません」という場合には、証拠品として、私製の譲渡証明書のようなものを作る必要がある。しかし私製だけに何となく怪しまれそうな気もする。
その点、家電リサイクル券は水戸黄門の印籠とでもいうべきアイテムで、費用はかかるが面倒は少ない。
まだ新しいテレビなら、リユース店に売却するということも考えられる。この場合にも、いつ、何を誰に売ったということが分かる控えを必ず保管しておきたい。

しかし考えてみれば妙である。求められているのは「テレビ受信機を持っていないこと」なのに、「テレビを捨てた」ことを証明すれば話がスムーズに進むのだ。テレビの買い換えでも証明書は手に入るというのに。

ワンセグつき携帯電話も捨てる

次に携帯電話だ。
一時期は、電話機でテレビ電波を受信できる、いわゆる「ワンセグ機能」がかなりの機種に搭載されていた。NHKからの使者が家にやってきた際、iPhoneを見せて納得させたという昔話を聞いたことがある(歴代iPhoneはワンセグを搭載していない)。
が、最近はワンセグ搭載の機種がほぼ皆無のようで、数年おきに電話機を買い換えていれば、自然とワンセグ機能が淘汰されていくように思う。

携帯電話についても、テレビと同様に「ワンセグ非搭載証明」なり「ワンセグ機種廃棄証明」なりを求められてもおかしくないところだが、実際にはそこまで追及されないので、個人の責任で処分すればそれでよい。
私の場合、ワンセグを搭載したガラケーを使っていたので、転居後すぐにこれを処分し、ワンセグ非搭載のスマートフォンに移行した。

電話1本で解約完了……とはならず

ここまで準備したら、いよいよNHKに連絡する。

あくどい業者の場合、解約の窓口がなかなか見つからないということがありそうだ。さすがにNHKはそこまで悪辣ではなく、検索するとすぐに以下のページが出てくる。

ご丁寧にフリーダイヤルも用意されているので、最悪、公衆電話まで行けば通話料無料でOKだ。

ただ、電話1本で解約とはいかず、「所定の届出書」を紙で提出することになる。
電話をかけて、まずはこの届出書を取り寄せる。すると「お客様番号」が印字された届出書が家に届く。

届出書の内容は簡単で、元々あった受信機の数、解約理由(受信機の撤去、故障、譲渡、アンテナの撤去、ケーブルテレビ解約)、今後またテレビをつける予定があるか、といったことを書くだけだ。
解約理由が「受信機の撤去」であれば詳細欄に「廃棄方法 家電リサイクル」と書いて、家電リサイクル券のコピーを添付することで万事OK。

厳密にいえばワンセグ対応の電話機を処分したことも書くべきなのだろうが、こちらには廃棄証明がないので、話を持ち出すと面倒になる。
立ち入り検査があるわけでもないのだし、個人の責任で受信機を確実に処分していれば、放送法違反だと言われることもないと思う。

この書類を郵送することで手続きは終了。不備がなければ無事に解約が済む。

NHKとの縁は切れず

ところが、半年後ぐらいに「お尋ね」が来た。「本当にあなたはテレビを持っていないのですか?」といった内容だったと思う。
いやいや、半年前に捨てたって言ったじゃないか!どういう情報管理をしているんだ!と思うのだが、その後新しいテレビを買ったという可能性もあるので、文句を言っても仕方がないかと諦めた。

勢い余って「こんなことで受信料の無駄遣いをするな!」と書きそうになったが、そもそも受信料を払っていないのでお門違いだった。

転居すると、新たな戦いが始まる

さらにこの後、私は別の賃貸へ転居したのだが、入居して約1ヶ月後、転居先に「NHKとの契約を忘れていませんか?」といった封書が届いた。
郵便物であるにもかかわらず、宛先に私の名前は入っていない。「特別あて所配達」という特殊な取扱いの郵便で、「誰だか分からないけど、その住所に住んでいる人宛」に届けることができるというものだ。日本郵便は表向き「ダイレクトメールに活用できます」と宣伝しているが、NHKのために開発された商品としか思えない。ちなみに料金は通常の郵便料金プラス150円だそうで、日本郵便も結構これで儲けているのではないか。

この封書には「テレビがないので契約しません」という意志を伝えるための書面が入っていなかったので、特に何も返信せず無視していた。
すると、しばらくして、NHKから委託された人が訪問してきた。この件はそのうち別記事に書くかもしれない。

「この前、テレビを捨てて解約したばっかりだろうが! 覚えてないのか!」と文句を言いたくなったが、よく考えると、原理的にこれは仕方がないと思う。逆に、「あなたは解約済みですね」と知っていることの方が恐ろしい。
なぜなら、NHKと契約していない状態で転居したからである。
3月になると「お引っ越しの際は住所変更の手続きをお忘れなく」というアナウンスが嫌というほど流れる。ということは、NHKと契約している人でさえ、黙って引っ越したら、NHKは新住所を知り得ない。
私たちの場合、NHKを解約してから転居したので、住所変更の届けを出す義理はない。だから「元々A市に住んでいてNHKを解約したXさんが、この春にB市へ引っ越した」という情報をNHKが知っているとすれば、どこから漏れたんだという話になる。
つまり、住所変更の届けを出さない限り、転居した人はことごとく、NHKから「受信料を支払っていない疑い」をかけられる宿命にある。そして解約した人は住所変更の届けを出す術がない。

まず前述の封書が届くが、これに返信しようとすると「テレビを持っていないので契約しません」という選択肢がない。すると必然的に、第2段階として使者がやってきて、この人に「テレビがありません」と申告することで初めて、「この家はテレビを持っていないから契約の義務がない」と認定される。これでようやく、「契約を忘れていませんか」といったお尋ねから逃れられるのだろう。
もし再度訪問されたら、今度こそ文句を言ってもいいと思うが、「その間にテレビを買ったかもしれないと思いまして、念のため――」などと言われると反論の余地がない。

面倒だな、NHK。
存在意義は認めるが、この歪な受信料制度は親から子へ引き継ぎたくない。

 

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