家が売れない! そのとき何が起こっているのか

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  • 販売開始から数ヶ月、内見は入るが成約に至らない憂鬱
  • 不動産屋を疑い始めるときりがない
  • ハウスクリーニングしたのに、また家が汚れ始めた

販売開始以来、内見はコンスタントに入るのだが、未だ成約には至らない。
ということはつまり、内見した人がことごとく何らかの理由をつけて断っているということである。

何の足しにもならない情報だが、「内見して断られる」ということが続くとどうなるか、疑心暗鬼の日々をご紹介する。

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ガッカリなお断り「ワースト1事例」を晒す

まず最初、「お断り」の中で一番ガックリきた例を挙げよう。

内見に来るというのは4~5人のご家族。お子さんは結構大きいそうで、大学受験を控えている娘さんもいるのだという。

ちなみにこの方、別の不動産業者(大手N社)からの紹介だそうだ。
これを聞いて、「ああ、さすがに囲い込みはしてないんだな」と少し安心した。
不動産業者は常に両手取引(買い主、売り主の双方から仲介手数料を得ること)を狙っている。専任媒介契約では「囲い込み」といって、意図的に両手取引に持っていくことができる。すなわち、他社からの客付けを不当に断ったり、レインズ上のステータスを「先客あり」にして他社からの問い合わせを防いだりするのだ。私がそもそも専任媒介契約を嫌っていた大きな理由がこれだった。
しかし実際には、今回、他社からの客付けで内見へ進んだ。ということは今のところ、不当な囲い込みはやっていないということになる。

ローン仮審査後に、その理由で断る!?

閑話休題、このご家族はまず両親だけで内見に来た。好印象だったので、すぐにローンの仮審査に申し込んだという。
後日、家族全員で内見に来ると言ってはいたが、これはあくまで「念のため」。仮審査を申し込んだ時点で8割がた決まりでしょう、と私は(おそらく不動産屋も)思った。

ところが数日後、あっさり「一旦保留になりました」という連絡が来た。
何でも家族会議が不調で、娘さんが「受験を控えた大事なこの時期に家探しとは何事か」と言ったんだったか言わなかったんだったか。

その後、ついぞ連絡はなかった。

どこまでが真実か

某漫画が言うように、この業界では嘘が飛び交っていると思う。
嘘も方便、今回の件もどこまでが本当の話だったのか分からない。

ちょっとだけ嘘か?

まず、今回の話に全く嘘がないと仮定する。そうだとすると、家族会議が終わる前にローンの申し込みをしたお父さん(かどうか知らないが)、ちょっと勇み足すぎませんか、と思う。ただ、可能性はゼロではない。

次に、ちょっと嘘があると考えてみる。ローンの申し込みは本当に行った。しかし、その後さらに良い物件が見つかった。あるいは何か致命的な欠陥を見つけた。そこで本当の理由を話すと申し訳ないと思って、嘘の理由で断った。
これはまだ分かる。そしてこの場合、嘘をついているのは不動産屋ではなく例のお客さんという可能性もある。

ガッツリ嘘か?

そして――ここまで考え始めると憂鬱なのだが、全部が嘘かもしれない。つまり内見が入ったという話自体がそもそも嘘という可能性も否定できない。
不動産屋が「進んでいる感」を出すためにローン仮審査などという話を持ち出した。挙句、「やっぱりダメだったそうです」とオチをつけた。そんなストーリーだ。

前述のとおり、このお客さんは珍しく「両手」ではなく「片手」だった。つまり別の不動産会社に物件購入の仲介を依頼している人だという。そこで私は「おっ、囲い込みもせず、ちゃんと営業してるな」と思ったわけだ。
が、実はこれもよく練られた嘘だった。いや、「内見自体が嘘」であれば本当も嘘もないのだが。
「何で、ローンの申し込みまでしたのにキャンセルなの?」と私が詰め寄ったとする。そこで不動産屋、「いやー、他の不動産屋のお客さんなので私からはこれ以上聞けないんですよねー」などと言い逃れる。「他の不動産屋の客」というのは、そのための伏線だったのではないか。

もちろん、実際はちゃんと営業活動をしてくれていた可能性もある。なので、以上の想像は失礼な話ではある。
しかし、物件情報を放流してから当時2ヶ月が経過していた。内見の話は尽きないのにいつまでも成約しない。こういう状況だと、かくもマイナス思考になっていくのだ。
たぶん、私だけではないと思う。

内見は来る、指名は来ない

そして売り出し開始からついに3ヶ月を過ぎた。専任媒介契約は同じ条件のまま(仲介手数料半額)で無事に更新された。が、そもそも3ヶ月も売れ残っているのだから無事とはいえない。

掃除を尽くして指名を待つ

この間、私がやったことといえば、「商品」である旧居の清掃。
ハウスクリーニングですっかりきれいになったとはいえ、1ヶ月、2ヶ月と経てばホコリも溜まる。月に1~2回は入室して掃除機をかけ、郵便受けに溜まったチラシ類を回収する。新居と旧居が近いからこそできることだが、実際の「商品」を自分の目で確認することで安心感を得られる。

内見は入る、指名は来ない

依然、内見の件数はそれなりに多い。ほぼ毎週末、時には平日まで内見が入っている。しかし成約には至らない。
ダメな理由は断片的に聞いた。「駅まで遠い」「車庫の入口が狭い」「小学校まで遠い」「土地勘がないので何度か歩いてみて決める(と言いつつフェードアウト)」等々。一々ごもっともである。
こうなると、「ローンの申込までしたのに、家族会議が不調でキャンセル」という前述の一件がつくづく悔やまれる。私のせいではないのだけれども。

別に、いつまでに売れなければ資金繰りが行き詰まる、という具体的なタイムリミットはないのだが、すでに私たちは賃貸住宅へ引っ越している。住宅ローンと家賃の二重払いだから、キャッシュフロー的には結構厳しい。
加えて、物件の「鮮度」が落ちてきているから、早晩注目されづらくなってくる。内見すら入らないという事態に陥るかもしれない。

「仲間」との勝手な連帯

悶々とした気持ちで過ごしていると、どうしても目につくのが街の不動産屋だ。
新居のすぐ近くには複数の不動産屋がある。ついつい「この店に頼めば、もう少し早く片付いたのだろうか……」などと考えてしまう。

そしてもう一つ、ついつい注意を惹かれてしまうのが、街に溢れる他の売物件。「そうですか、あなたもまだ売れませんか……」という同情の念というか、仲間意識のようなものが生まれてきた。

ハウスクリーニング、まさかの「賞味期限切れ」

退去後すぐにハウスクリーニングを行い、過去最高にピカピカになった我が家。時々は掃除機がけも行い、売り物としてふさわしい状態をキープしている、はずだった。

ところが、売り出しから4ヶ月ほど経ったある日、何かの用事で旧居に立ち入ったところ、嫌なものを見てしまった。
風呂場の排水のところに黒カビが生えていたのである。

ハウスクリーニング終了後、風呂場に水を流したことは一度もない。とはいえ、排水口がカラカラに乾いているというわけではない。封水というのか、排水管との接続部分には常に水が溜まっている。この水がなくなると臭いが上がってきて逆に大変なことになる。
おそらく、この水をきっかけにしてカビが生えたのだろう。
せっかくプロに掃除してもらったので、広範囲を濡らしたくはない。歯ブラシなど小さめの道具を使い、最低限、見た目を取り繕うだけの掃除をしてきた。が、早晩、カビは再発するだろう。

このように、売却活動が長期化するとハウスクリーニングの「賞味期限」が切れてしまうという問題を発見した。
こんなこと一つをとっても、売却活動はなるべく早く決着した方が楽だということがいえる。

 

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