「家を売る」と「車を売る」の決定的な違いとは? 仲介と買取はどちらが有利?

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  • まず、買取と仲介の違いを押さえよう
  • よほどの事情がなければ、仲介の方が高く売れるので有利
  • 不動産屋の選び方に注意。仲介の場合、不動産屋の査定額で売れるわけではない

突如、私は持ち家を売ることになってしまった。

さて、ここで問題。
家を売るためには、まず何をどうすればよいのだろうか?

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資金繰りは難しいが、今回は関係なし

家を売って新しい家を買う場合、まず資金繰りに気を付けないと詰んでしまう。単純な話、古い家が売れる前に新しい家を買ったら、新しい家の代金はどうやって払うのか?

このような状況に対応する「住み替えローン」という商品がある。しかし通常、新しい物件を買うタイミングと今の物件を売るタイミングを調整する必要がある。家を買う方が先に決まってしまった場合は大変だ。急いで元の家を売らなければならないことになる。
ローンを二重払いする「ダブルローン」という方法もあり得る。しかし、十分な収入がある等の条件が整わないと借りられないだろう。

が、今回は賃貸住宅への引っ越しなので、その点は考えなくてよい。よって、資金繰りについて本記事では特に説明しない。
資金繰りのために売り急ぐ必要がない。これは、不動産屋や買い主に足元を見られなくてよいので有利な条件といえる。

古本を売るなら、ブックオフかメルカリか

高額の中古品を売るという点で、「家を売る」のと「車を売る」のは似ていると思うかもしれない。
しかし実際には、契約形態が明らかに違う。

簡単に言うと、古本を売るときに、ブックオフに持ち込むか、メルカリに出品するかの違いである。

ブックオフ方式:業者に売る

車の場合には、中古車を扱う業者に買い取ってもらうのが一般的だ。
業者は最終的に、その車を別の人に売るわけだが、一旦は業者の所有物となる。
ブックオフで古本を売るのと同じ形態だ。

車を売る側としては、業者に売った段階で現金が手元に入る。その後、車がいつ、誰にいくらで売れたか、ということは心配しなくてよい。
高く買ってくれる業者を探す。業者選びの基準はこの1点に尽きる。
価格交渉も業者と行い、納得いかなければ別の業者にスイッチすればよい。ブックオフの価格に納得がいかなければ、別の古本屋に売りに行けばよいのだ。

メルカリ方式:個人間売買の手助け

一方、持ち家の場合には、不動産屋が買い取ることはあまりない
「どうしても早く現金化したい」「人に知られないように売却したい」等のニーズがあれば不動産屋が買い取ることもあり得る。しかしその場合、相場より大幅に安く買いたたかれるのが普通である。
万一、ここを勘違いしている(すなわち「古い家は不動産屋が買い取ってくれるのが普通」と考えている)方がいれば、今、確実に軌道修正しておきたい。

では大半の人はどうしているか? その家を買ってくれる人を見つけて、個人間で売買契約を結んでいる。いわばメルカリ方式である。
メルカリは、あくまで「個人間売買の場を提供する」というサービスだ。売買は個人間で行う。値付けは基本的に売り手が行い、その値段で買い手がつくかは分からない。

面倒だが高く売れる「メルカリ方式」が主流

たとえば手持ちの古本を売るとしよう。ブックオフに持ち込むのと、メルカリで直接売るのでは、どちらが高く売れるか? 後者の方が、売り上げは大きくなる場合が多いと思う。
ただ、ブックオフにも「気楽だ」というメリットがある。まず即座に現金化される。そして後から「この本、よく見たら汚かったから金返せ」と言われることもない。
一方メルカリだと、取引終了まで緊張感がある。いつ売れるか全く分からない。買い手がついても、商品の状態に難癖を付けられて取引がキャンセルになる可能性がある。

家を売るのもこれと同じだ。メルカリ方式の方が高く売れる。一方、「いつ売れるか」「売れた後に文句をつけられるかも」といった不安がある。
この状況で、大半の人は「高く売る」ことを重視する。つまり皆、ブックオフ方式ではなくメルカリ方式で家を売っているのが現状である。

では、不動産屋の役割とは?

10年後は分からないが、2024年現在、メルカリで不動産は扱っていない。

では、売り物件の情報をどうやって周知し、購入希望者を見つけるのか? 自分でビラを撒くのにも限界がある。
さらに、購入希望者が見つかってからも大変だ。価格交渉し、売買契約を締結、代金の受渡を行う――これら一連の流れを自分でやるのは明らかに無理だ。

そこで、こうした「個人間の売買契約のお手伝い」を不動産屋に依頼するわけだ。
不動産屋が売り主と買い主の仲立ちをするから「媒介契約」と呼ばれる。

不動産の売買自体はもちろん契約行為であり、お金が動く。一方で、家を売る人と不動産屋の間にも媒介契約が結ばれ、手数料としてお金が動く
もっと言えば、家を買う人も不動産屋に諸手続を手伝ってもらうので、媒介契約が結ばれ、手数料が発生する。

不動産屋選びは、中古車屋選びとは全く違う!

買い主が見つかり、価格交渉が成立して初めて、家を売る側は現金を手にできる。
だから、不動産屋には「買い主を見つける」「より高い価格で売れるよう売り主をサポートする」といった能力が求められる。
その点では、中古車を売る時よりも業者選びは難しい。不動産屋と契約する時点では、その不動産屋が確実に良い買い主を見つけてくれるという保証がないからだ。

不動産屋選びについては以降の記事に長々と書いていく。が、まず最初に押さえるべきことをここで述べる。
単純に「複数社から見積をもらい、一番高い金額を提示した不動産屋に決める」という方法では全然ダメだ。
不動産屋が提示する「査定額」は、あくまで「おすすめ売り出し金額」であるからだ。
「この本をこの価格でメルカリに出したら、買い手もつくし儲けも大きくなりますよ」
査定額とは、こうした提案にすぎない。いくら高く売り出しても、ずっと売れ残っては意味がない。

不動産屋選びも、メルカリになぞらえて考えれば分かりやすいかもしれない。つまり、メルカリで売るのか、ヤフオクやラクマの方がいいのか?という比較である。
やはり、利用者数(買い手の候補数)が多いメルカリが有利か? いやいや他社の方が手数料が安く済むかも? 万一の際のサポートが手厚いのは……云々。フリマアプリとの対比で不動産屋選びを考えていくと本質が見えてくるかもしれない。

 

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