引越業者、どこに依頼する? (1) 割引券は無意味!?

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転居先と入居日が決まったので、引越業者の選定に着手できるようになった。

昨今、3月末の引越シーズンには業者の人手が著しく不足するという。法外な料金を請求されたり、そもそも引越を引き受けてもらえなかったり。こうした、いわゆる「引越難民」が発生していると聞く。
今回の引越は11月。繁忙期ではないので難民化のおそれはないと思う。それでもギリギリに申し込むより余裕を持って申し込む方が価格交渉の上では有利だ。そう考え、1ヶ月半前に業者選定に着手した。

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前回はアート引越センター

前回の引越、すなわち今の家に入居する際には、日通とアート引越センターの相見積もりをとり、結果的にはアートに依頼した。
大昔、実家の引越で日通を利用した経験から、当初は日通にしようと思っていた。しかし、後から来たアートの営業担当に価格面で押し切られたと記憶している。

では、アート引越センターの働きぶりはどうだったか?
一言でいうと、ひどく時間を食ってうんざりした。

スタッフの人数はそこそこ多かったと思う。しかし学生風の若い人ばかりで、仕事がなかなか進まない。当時は妻と二人暮らしだったので、荷物の量も今ほど多くなかったのだが。
当日の昼頃に着手したと思うが、旧居がなかなか空にならない。ようやく部屋が空いたところで最低限の掃除を済ませ、閉店間際の不動産屋に駆け込んで、何とか期日までに鍵を返すことができた。
その足であわてて新居へ行くも、作業の進捗は悪い。スタッフが帰ったのは20時近かったと思う。

今回の作戦

前回の引越がこんなだったから、正直言ってアート引越センターに良い印象はなかった。

しかし今回も、日通とアート引越センターの2社へ見積もりを依頼した。
本命は日通で、アートは日通から有利な条件を引き出すための対抗馬という心づもりだ。なので、見積もりをもらう日程はアートを先にした。

割引券に意味はあるか?

引越料金の相場はよく分からないが、15%、20%といった割引案件は至るところで見つかる。
察するに、正規料金で依頼する人はほとんどおらず、値引きが常態化しているのだろう。実際、転居先の賃貸マンションの仲介を頼んだ不動産屋から、サカイ引越センターの30%割引券をもらっている。

今回は日通、アートともに、勤務先の紹介や福利厚生プログラムで25~30%割引になる制度があったので、それを利用した。
ただ実際には、営業担当者に「相見積もりしてます」と話をするだけで(しなくても?)、「定価」と思われる見積価格を計算した後に、「特別に」値引きしてくれる。

割引券はあくまでスタートライン

考えるに、最初に何%引きの券を持っていたとしても、最終的な落としどころは「業者に最低限の利益が出る料金」となるのではないか?
すなわち、割引券に書いてある割引率はあくまで交渉のスタートラインである。そして成約額、すなわち実際に支払う料金には影響しない。このように想像する。
だいたい、20%だの30%だのという高率の割引券が容易に手に入ること自体おかしい。定価が有名無実であることを暗に示している。20%引きぐらいのところが実質的な「定価」であろう。そこから相見積もりなどの方法で価格交渉していくことになる。

決め手は相見積もり

だとすると、必要なのはクーポン券ではなく、相見積もりだ。

そして、この考えが正しいとすれば、もう一つ言えることがある。「たまたま割引券を入手したから、この引越会社にしよう」という考えには意味がない。そこには「何となく」のお得「感」があるだけだ。割引券の有無で業者を選ぶべきでない、というのが私の意見である。

なお、この次の引越でも、同じく勤務先経由でアート引越センターに見積をとった。3月下旬という最繁忙期のことである。この際、「○○社経由なので繁忙期割増はいただきません」といった予想外の反応があった。ただし、割増がないと言いながら、ピーク時だったので相当高額になった。
これも単なる方便かもしれないが、勤務先経由で申し込むと「法人引越」の扱いになり、お得意様ということで何かいいことがある「かもしれない」。
町中でばらまいているクーポンでは、単なる「一見さん」としか思われない。可能ならば勤務先など所属団体を通じて見積を申し込むのがよいのでは、と感じた。

 

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