プロローグ:怪文書到着、からの隣家売却

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それはコロナ禍の8月、まさに夏真っ盛りの頃。
テレワーク中の気分転換でポストを見に行った時のことだった。

怪しげな郵便物が1通、入っていた。

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怪文書の中身は……

封書ではなくミニレターで、宛名は手書き、さらに名字だけしか書かれていない。
ヤフオクやAmazonマーケットプレイスで何かを買った覚えはない。
怪しすぎる。

裏面を見ると、見慣れない不動産屋の名前が書いてある。
それもそのはず、不動産屋の所在地は電車で1時間以上かかる某市である。

見た目も差出人も「怪文書」と呼ぶにふさわしいものだったが、一応開封した。

用件はこうだ。
「近くで売り出し中の物件があります。買いませんか?」

しかし、物件の場所も間取りも書かれていない。
詳細を知りたくば電話してこい、と。

誰が電話するかー!

近所とは?

少し落ち着いて考えた。

この不動産屋は、売り物件が出たのを察知し、住宅地図か何かで当該物件の近所の家々を調べ、無差別にこうした郵便物を送りつけているのだろう。

地元の不動産屋ではないので、売り主がこの不動産屋に売却を依頼したとは考えにくい。
自社の近辺か否かを問わず、どこかで売り物件が出るたびに、物件の近隣へ郵便物を送って獲物が釣れるのを待つ。そういう営業スタイルなのだと思われる。

そこまで分析し終わると、やはり気になるのはこれだ。
「近所って、どの家だ?」

状況からして、この不動産屋が隠し持っている未公開物件ではないだろう。
ネットですぐに調べがつくと思い、SUUMOで検索をかけてみた。

答えはあっさり出た。
隣家である。

物件写真も豊富に載っている。
よって、我が家も借景としてしっかり写っている。

入居可能時期は「8月」と書いてあるが、今がまさに8月。
しかし隣家は間違いなく居住中であり、引っ越しの気配はない。
いきなり明日売れたらどうするつもりなのか。

買った値段の何割増しで売るつもり?

そしてさらに驚いたのがお値段。
築10年以上の建売住宅なのだが、価格は新築当初の売値の2割増しである。
なぜそれが分かるかといえば、我が家と同時に売り出されていたからだ。
新築時点で、我が家は隣家より300万円高かった。ところが今回の隣家の売り値は、我が家の新築時の価格より余裕で高い。

えっ!?
じゃあ今、ウチを手放したら買値の2割増しで売れて、不動産転がしで大儲けみたいになるわけ!?

そんなはずはない。
周辺相場から見ても、この価格は明らかに高すぎる。
誰だ、こんな価格で売り出そうと考えたのは。

――そして事態は思わぬ方向へと動き出す。以下、後編へ続く。

その時、歴史が動いた
「近くで家、売ってますけど、買いませんか?」という怪文書が来た話を前の記事に書いた。その話の続きをする。怪文書を見た妻の反応は……いろいろ意外すぎてポカーンとしてしまった。が、ひとまず、晩酌に向けて妻にネタを提供することにした。夏休みで息子...

 

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