転居時の郵便物、個人情報流出の実態

  • 郵便局の転居届は何度も出せる! 2年目以降も新住所への転送が可能
  • 郵便受けに名前を出さないと誤配達が多くなる
  • 自分の個人情報を守りたいなら、広告主へ連絡してDMを止めてもらおう

転居の際には、皆、郵便局に転居届を出すと思う。これにより、1年間は旧住所宛の郵便物が新住所へ転送されてくる。(転送を希望しなければそのまま差出人に返送することもできる。)

ここまでは周知の事実だが、郵便物その他の転送に関しては、実際にやってみないと分からないこと、意外と知らないことが多いと感じた。
そして、普通にやっていたのでは個人情報の流出は不可避だ、と背筋が寒くなった。

郵便物の転送は更新可能!

まず、郵便物の転送は1年経過後も可能である、という話。
やり方は簡単で、1年経ったらまた転居届を出せばよい

転送された郵便物には、旧住所を覆い隠すように「新住所シール」が貼られている。この新住所シールには転送期限が書いてあるので、期限が近くなったら新たに転居届を出して「更新」する。

私たちの場合、2回更新したので3年間は転送されたが、3年目に入るとさすがに転送されてくる郵便物をほとんど見かけなくなってきた。
ただ、年賀状は「転居しました」の報になかなか気付いてくれない差出人が時々いて、更新した転居届に救われることがある。ここで救われてしまうから、差出人のアドレス帳がいつまで経っても更新されないのだが……

悩ましいダイレクトメール

年1回お願いすれば自動で転送してもらえるとはいえ、いつまでも転送に甘んじていてはダメだ。
郵便物が転送されてきたならば、その差出人に「住所が変わりました」ということを宣言し、次回からは新しい住所に送ってもらうように仕向けたい。

一般論としてはそうなのだが、悩ましいのは不要なダイレクトメールだ。

不要だと思っているから、こちらから新住所を教える義理はない。これを機にオプトアウトの手続きをとるのが正解なのだろうが、その手間すら惜しい。
転居届を出さなければ差出人に戻るから、「ああ、この顧客とはもう連絡がとれないのだな」と認識してもらえるのだが、そうすると必要な郵便物も転送されなくなる。
何がよいのか、モヤモヤしている。

ただ、個人情報を重視するなら、オススメはオプトアウト、すなわち「面倒だが広告主に連絡を取り、もうダイレクトメールは不要であると伝えること」である。
その理由は次の記事で述べよう。

転居届も万能ではない……実際にあったミス3件

このように有り難い日本郵便の転送サービスだが、人間のやることだから、時々間違いがある。
転居後数年、「ウゲー」と思ったことが何度かあるので書いておく。

その1:年賀状が届かない

まず1点目。年賀状があて先不明で戻ってきたよ、という知らせが旧友から来た。転居の翌々年の正月だったと思う。
2回目の転居届は出しているので、何枚かの年賀状はちゃんと新住所へ届いたのだが、稀に新住所へ転送されず、あて先が違うといって戻ってきてしまうことがあるようだ(旧住所にはすでに別人が住んでいる)。

その2:他人宛の郵便物が届く

次に2点目。自分宛でない郵便物が転送されてきたことがあった。ややこしい話なので、ゆっくり読んでいただきたい。

しばらく前、賃貸マンションAから賃貸マンションBへ引っ越した。当然、AからBへの転居届は出している。
マンションBで暮らしていたある日、郵便屋さんが書留でもない郵便物をわざわざ玄関先まで持ってきた。
郵便物を見ると、マンションAの住所の上に転送用のシールが貼られていたが、宛名(受取人の名前)は自分ではない別人だ。つまり、住所は合っているが名前が違う。
どこかで見た名前だな――と数秒考えて分かった。マンションAのオーナーである。

「この郵便物を受け取りますか?」と聞かれて、一瞬混乱した。「元・大家さん宛だから、そこに住んでいた私に関係あるかもしれないし、私が代理で受け取ってもよいか……?」などと考えた。
しかし、郵便屋さんの一言で我に返った。

「受け取っちゃうと、今後ずっと(オーナー宛の郵便物が)届きますが……」

郵便局としては、「今回この郵便物を受け取った」=「AのオーナーがBに住んでいる」=「以後、Aの住所ないしBの住所へAのオーナー宛の郵便が届いたら無条件でBの住所へ配達する」と推論するのだろう。
これはおそらく、「信書は必ず本人が開封する」という大原則に基づく。他人宛の郵便物を故意に開封することは信書開封罪にあたる(調べたら、郵便法ではなく刑法だった)。危ない。

話が長くなったが、今回の「事故」のそもそもの原因は、マンションA担当郵便局が、転居届の対象になっていないオーナー宛の郵便物をマンションBへ転送してしまったことである。
マンションB担当郵便局は、住所だけ見て配達するのではなく、きちんと宛名まで確認して「あれ?」と疑問に思った(から対面で受け渡そうとした)わけで、こちらは良い仕事をしている。

その3:特定記録郵便も誤配される

そして3点目。これが一番ひどいと思ったのだが、他人宛の特定記録郵便が届いた。マンションAに入居した直後の話だ。

マンションAには1ヶ月前まで他人が住んでいて、その人は転居届を出していったと思われる。
しかしある日、先住者宛の特定記録郵便がポストに入っていた。「親展 マイナンバー関係書類」などと書かれていて、見るからに重要な個人情報が含まれている。

ふつうの郵便物なら「誤配」と書いてポストに投函するところだが(実際に何度かあった;郵便法に違反したくないので、明らかなダイレクトメールも「誤配」と書いて律儀にポストへ投函した)、特定記録は重要度が違う。即座に郵便局に電話し、取りに来てもらった。

特定記録郵便は、対面受渡ではなくポストへの配達だが、配達状況(相手に届いたかどうか)は記録しますというサービス。書留には及ばないが、それなりに重要な郵便物であるといえる。これを誤配するというのはどうなんだ? 恐ろしい。

郵便受けに名前を出すか、出さないか

以上、転居届が正しく機能しなかった事件を3つ述べた。

これらの件を通して思ったことがある。
自分自身の個人情報が流出する被害は直接軽減できないものの、郵便受けには名前(姓)を掲出した方がよいのではないか?

集合住宅、特に賃貸の場合には、プライバシー確保のため表札を出さない、郵便受けにも名前を書かないという人が最近は多いと思う。私の転居先のマンションも、名前(姓)を出している人は半分弱といったところだった。私は、最初から出すつもりがなかった。
しかし郵便受けに名前が出ていないと、配達する人としては部屋番号しか手がかりがなくなる。その結果、特定記録郵便ですら誤配するという事故が起こる。郵便受けに名前が出ていれば、最後の最後で気付けた可能性がある。

誤配については次の記事でも述べるが、郵便受けに姓を掲出することにより、メール便等を含めて誤配を受けることが減り、余計な手間が省けるというメリットはありそうだ。また、これがムーブメントとなり社会に浸透すれば、回り回って自分の個人情報が他人に渡る可能性を小さくできる。
しかし、当座のことを考えると、姓の掲出そのものにより個人情報が流出する。うーむ。悩ましい。

 

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