地元民ならではの情報を活かせ、セルフ査定

持ち家の売却活動を始めた私たち。
実は、各社に査定を依頼した段階で、私たち夫婦でも「査定」を行っていた。
素人だから、専門的な知識や過去の成約事例情報などはない。しかし、ある程度のレベルの査定は可能だと思う。

近隣物件の相場は、近隣住民が一番よく知っている

今回、築10年強の物件を売りに出したのだが、まずは近隣の新築物件と比較すべきと考えた。
自宅から徒歩圏内には、コンスタントに新築物件が供給されている。駅からの距離や土地・建物の広さで補正はするにせよ、築10年の我が家が、それら新築物件より割高ということはあり得ないだろう。
つまり、「我が家が新築だったら今いくらか」を類推し、そこに築10年に対する割引を加味していくということだ。

普段の生活で相場観を養う

家を売ろうとしていた当時からカウントして数年前。近隣の古いアパートが取り壊され、跡地に3軒の一戸建てが建った。

土地や建物の面積は我が家とほぼ同じながら、3軒中2軒はいわゆる「旗竿地」。整形地の我が家より条件は悪い。
しかし、その旗竿地の物件ですら、販売価格は我が家の買値より1000万弱高かった。
最も好条件の1軒はさらに数百万高く、我が家とは千万の位が2違うという有様。

当時、妻と「この値段で誰が買うんだろうね」と話していた。ところが好条件の1軒がすぐに売れ、残る2軒もそこまでこじれずに成約した。
正確な成約価格は分からないが、大幅な値引きはないと思われる。

この実績から、もし今、我が家が新築で売り出されたとすれば、私たちの買値より1000万ほど高くなることが想定される。
そこから建物の価値の減少分を差し引いても、買値を若干上回るのではないか。これが私たちの「査定結果」だった。

また、我が家から駅と反対側(つまり駅から遠くなる側)へ数百メートルほどの場所で、小規模な住宅開発が散発的に行われていた。その売り出し価格を見ても、我が家の買値を下回るものはなかった。

このことからも、我が家の価格の「実力値」は買値よりわずかに高い程度と推定できた。

プロの査定結果で答え合わせ

実は、「我が家の売り出し価格」を決めた後、それとほぼ同額の新築物件が出てきて、若干不安になった。だが、安いのには安いなりの理由があるのだろう、と腹をくくって眺めていた。

以上の「セルフ査定」を行った上で、約10社の「プロの査定結果」を検証した。すると査定額の平均値は私たち夫婦の考えていたのと概ね同じであった。私たちの相場観がそこそこ正しかったことを確認できた。

売り出し価格は戦略そのもの

あとは売り出し価格だ。これはどういうスタイルで売っていくかによって大分違いがあるので、正解はない。

別記事で、売出提案額には「急ぐ場合」「標準的な場合」「高額売却を狙う場合」の3パターンがあることを紹介した。
隣家は典型的な「高額売却狙い」である。

我が家は隣家より若干条件がいい。そこで、隣家と同額ないし若干低い額(といっても「高額売却狙い」の価格帯である)で売り出し、自分がこの地域の相場を作る!ぐらいの意気込みで勝負することも考えた。
しかし、結果的には「標準的な場合」を採用した。つまり、隣家より好条件でありながら、隣家より相当割安な価格で売り出した。

「500万の壁」を意識する

売り出し価格については、「価格交渉に応じることを見越して、高めの設定にしておけ」というアドバイスが散見される。確かに「切りしろ」を若干残しておかないと、もくろんでいた価格では成約しないだろう。
しかし、あまり高めの価格だと、そもそも買い手が興味を示さない、あるいは見つけてくれないことも予想される。
特に、SUUMO等の住宅情報サイトでは、検索条件の価格欄が「4500万円」「5000万円」など500万円単位の選択肢となっている。予算が4800万円の人に、5100万円で売り出している家の情報は届かない可能性が高い。
だから、売り出し価格設定にあたっては「500万円単位の壁」を意識した。間違ってもこの壁を超えてはならぬと考えた。

 

地元のことは、地元に住む人が一番よく知っている。いくら不動産屋がプロだといっても、だ。
だから、家を売ろうかなと考えたときには、少しアンテナを高くしよう。まず自宅周辺の「相場」を自らつかむことが大切だ。

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