不動産業界にエサ撒き! 一括査定を依頼したら何が起こったか

別記事で紹介した「人手を介さない査定」の方法を知らなかった当時の私。売る気満々だったこともあり、不動産屋へ査定の依頼をすることにした。

今時、査定の依頼は簡単だ。いわゆる「一括査定サイト」というのがある。所有する不動産の情報を入力すると、数社へ一括して査定を依頼してくれるものだ。

依頼するなら、大手か地場か

どこの会社に査定を依頼するかは少し迷ったが、大手不動産屋には片っ端から依頼したいと考えた。

何社へ依頼するかは別として、「名の知れた大手か、地元密着の独立系か」という二択なら、私は大手を選択する。
その理由は「何となく安心感があるから」というだけではない。
別記事で述べるが、大手であれば無料で建物・設備保証をつけてくれる場合が多いのだ。地元の小さな不動産屋だと、聞いてみなければ分からない。「無料保証はありません」ということなら自腹で保証を付けることも可能だが、それなりの手間と費用を要する。そこまでして頼みたい地元の不動産屋を私は知らない。

査定依頼の時点では、比較のために地場の不動産屋もいくつか混ぜたいと思っていた。が、一括査定サイトから申し込めたのは1社だけ。
一括査定サイトから申し込めないが、個人的に知っている不動産屋が1軒あった。そこにも話を持っていこうかと思っていたが、結局は面倒になってやめた。

一括査定サイトはどこが良い?

一括査定サイトにもいくつかある。が、大手6社が加盟する「すまいValue」というサイトがあるので、まずここを利用した。
大手不動産屋を網羅したいと考えた場合、ここは外せない。

さらに、ここに載っていない各社へ依頼するため「HOME4U」というサイトも利用した。

これ以外にも一括査定サイトはいくつもある。が、上記2サイトを利用すれば大体は事足りるのではないかと思う。
重要なのは「どの不動産屋に頼むか」であって、一括査定サイトはその入口にすぎない。一括査定サイト選びに時間をかけるのは意味がないと思う。

なお、売買契約があらかた決まった頃に知ったのだが、一括査定サイト経由で査定を依頼された不動産屋は、一括査定サイトの運営者に「1件いくら」の手数料(素人が考えるより高額)を支払うことになるのだという。「成約しないのに査定依頼ばかりが多くて、予算が底をつきそうだ」という営業氏の愚痴をその時に聞いた。
不動産屋は日々、大量のチラシを配りまくっている。これは一括査定を経由せず、直に査定を依頼してもらうことが大きな理由ではないかと思う。
もし、この段階で意中の不動産屋があるのであれば、一括査定サイトを通さずに直接査定を依頼した方が、手数料の分だけ不動産屋には有利。そのため不動産屋の心証が良くなり、その後の交渉がうまく進む……かもしれない。(多分、あまり関係ない。)

個別に申し込む価値あり? SRE不動産

今回、「SRE不動産」には個別に査定を申し込んだ。上記の一括査定サイトからは申し込めなかったためだ。
この不動産会社はソニーグループなのだが、正直、これまで全く知らなかった。
そこへあえて個別に申し込んだ理由は明確。SRE不動産が、業界では珍しい「片手限定」の仲介を行っているからだ。

売買で担当者を分けている

以前の記事で触れたとおり、日本の一般的な不動産屋は、売り主と買い主の双方から仲介手数料を得る「両手取引」を目指して営業活動を行っている。
両手取引は、(日本では)違法ではないものの、利益相反という観点からは疑問が残る。

そこへいくと、SRE不動産は「売却専門エージェント」がつくというのである。つまり、一人の担当者に限って見た場合、売り主と買い主の双方を担当することはない。
だから当社は、売り主のことだけを考えて頑張ります、という謳い文句になっている。

――という話をどこかのサイトで読んだので、SRE不動産へ個別に査定を申し込んだわけだ。

会社全体としては両手もあり得る

しかし今思うと、あくまで担当が「売り」と「買い」で分かれているというだけの話である。
SRE不動産は家を売る(人をサポートする)のが専門ではない。「購入エージェント」という、家を買う人をサポートする営業マンもいる。売約エージェントと購入エージェントが結託しなかったとしても、会社全体として見れば両手取引になる、ということは十分あるわけだ。
参考記事によると、結果的に両手取引になる場合には「利益相反になりうることを顧客に伝え、覚書を交わす」そうである。ここだけ見ると結構真面目にやっているようではある。が、最終的に売り手にとって有利であるかどうかは、実際のところ分からない。

一括査定に細々した情報は不要

査定を依頼する際に気をつけたことを以下に書いておく。

まず、私は電話が嫌いなので、特記事項として「基本的にメールでお願いします」と書いた。
これを書かないと、おそらく電話ラッシュがしばらく続く。

また、入力項目には住宅設備の有無についてチェック欄がなかった。そこで「床暖房」「食洗機」など、査定額が上がりそうなものを書いた。
しかしこれは、今思うと無駄な努力だった。
実地を見ない簡易査定の段階では、どの不動産屋も、住宅設備の有無を査定結果に反映していなかったからだ。
(その後の詳細査定においても、価格に反映されるのかどうか疑わしい。)

放流、その直後……

――ポチった。

数分後、電話がかかってきた。

いや、だからメールでお願いしますと言っただろうが!

しかし査定をお願いした手前、電話に出ないというわけにもいかない。結局はこの会社が初の「実地調査」の約束を取り付けていった。
後に自宅前で会った際に「すみません、メールでお願いしますという依頼を見落としてました」と言われ、「客の要望を無視した強引な営業スタイルではないんですよ」と暗にアピールされたのだが、この言葉すら額面どおりには受け取れない。

これが不動産営業の世界か――と、のっけからパワーに圧倒された感があった。

なお、直接電話をかけてきたのはこの1社だけだったので、大半の不動産屋は日本語が読めるということを付記しておく。

 

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