引越業者、どこに依頼する? (4) 価格交渉成立! オフシーズンの引越は安いのか?

アート引越センターに見積を依頼した件、続編。話は見積内容に戻る。

オフシーズンでこの価格は妥当?

引越の料金を決める要素としては、荷物量の他に移動距離もある。
今回の場合、引越し先は直線距離で2km以内なのでピストン輸送も可能、したがって標準的なトラック1台でよいだろうとなった。引越先にはエレベーターがあるのでクレーンのような特殊車両も不要で、純粋な輸送費用は一番割安な部類に入ると思われる。

決定金額は税込で約176000円だったのだが、内訳は以下のようになる。

基本料・運搬料64,900
作業員人件費59,400
段ボール24,750
その他梱包材5,918
エアコン移設費(2台)48,400
洗濯乾燥機移設費(1台)6,600
液晶テレビリサイクル費(1台)6,050
冷蔵庫リサイクル費(1台)8,470
値引-48,607
175,881

この価格が高いか安いか?
他社見積との比較はできないので、あくまで素人の肌感覚ではあるが検討してみた。

 

まず、家電関連は追加の定額メニューであり、他の業者に外注するため値引きの対象外と考えられるので、計算から除外する。

とは言いながら、一応調べてみた。

家電リサイクル費用は、他社と比較したところ標準的な価格で文句はない。

エアコンの取り付け・取り外しは1台あたり22000円(+税)で若干高い気もするが、ある程度のオプション費用が込みになった「エアコンパック」なので、バカ高いというわけでもない。
なお、実際には移設した2台のうち1台が隠蔽配管となった上、室内に化粧カバーを取り付けたため、別途45100円の追加料金が発生した(この追加料金は正直高いなと思う)。

見積上、人件費は3名分(@19800円)となっているが、管理費等を考慮するとこれはギリギリの価格だと思えるし、実際には、当日午後にヘルプ1名が参戦したのでトータルで「3.5人日」かかっている。文句はない。

また梱包材が、段ボール70箱で25000円弱(1枚あたり350円程度)、布団袋その他で6000円程度、合計で約31000円。
ここに結構な利益が乗っているのだろうが、自前で新品の段ボールを調達すると1箱200円では済まないだろうから、使用後の回収まで考慮すると許容範囲だろう。

これらを差し引いた残額が、トラックの使用料や「レンタル梱包材」の使用料などということになるが、計算すると約16000円にしかならない。
食器や靴、ハンガーに掛かった洋服を運搬する際に「エコ楽BOX」と呼ばれるレンタル梱包材を使うが、いくら再利用可能といっても、1回使った際の損料は1000円を超えそうだ。その他、壁や床を養生するためのシートにも損料は発生するだろう。
そうすると、純粋なトラックの使用料は10000円前後と推測される。レンタカーの価格を考えると特に割高とは思わない。

以上、見積を精査してみたところ、内訳が正しいとするならば、利益率が高そうなのは段ボール等の使い捨て梱包資材ではないか、という印象を受けた。
その梱包資材に関しては、引越当日、「儲けのためにはそこまでするか」という光景を目の当たりにするのであった。

オーダーカーテンも引越屋に頼める

決定したからこれで話は終わりかと思ったが、ここからがまた長かった。
さすがはアートな営業、「ついでにこれもどうですか」という提案が延々あったのだ。

まず「カーテンはどうしますか?」という問いがあった。

これまで、カーテンは引っ越すたびにオーダーしてきた。妻が持病のため、紫外線をしっかり遮る必要があるためだ。なるべく隙間を作らないためにはオーダーが安心だし、生地もUVカットのものを確実に選ぶことができる。

今回、引越先のリビングが無駄にワイドスパンとなっており、天井も今より高い。今のカーテンは10年以上使ったので全部捨て、新しいカーテンを一式オーダーするつもりでいた。
そのことを伝えると、営業氏、待ってましたとばかりに「実は弊社でオーダーカーテンを扱っておりまして……」。
引越業者がカーテンを扱うのは不思議ではないが、正直、これまで聞いたことがなかった。

そのうちカーテンの採寸もしなきゃなー、でも10年前に頼んだ業者は店を畳んじゃったみたいだし――とモヤモヤしていたところなので、まさに渡りに船。
オーダーカーテンなんてどこに頼んでも似たような価格でしょうと思い、ついでにお願いすることにした。この選択が吉と出るか凶と出るか、それは追い追い書いていこう。

家電も売ってる!?

これで調子づいたのか、営業氏はさらに「家電」「ハウスクリーニング」と立て続けに紹介してきた。

家電については、引越を機に冷蔵庫の買い換えを考えていたので、ちょっと食指が動いた。
営業氏曰く、家電にとって移動は負担になるので、長持ちさせたいなら引越前に買って新居へ持ち込むより、新しいものを直接新居へ搬入するのがよい、当社なら引越日にあわせて搬入できます、大手企業の転勤サポートを請け負っているので通常より安く提供できます、云々。

またハウスクリーニングについては、家を売る前にプロの手で綺麗にしておきたいと考えていたので話を聞いたが、営業氏は「ダスキンとかに頼むよりは安いですよ」という程度の推し具合で、これといった特長はないようだった。

ひとまず各々の資料をもらい、その場で即答はしなかったが、家電についてはどう考えても量販店のバーゲン価格には及ばず、ハウスクリーニングも相見積もりで他社の方が割安と判明したので、最終的には頼まなかった。

結局、引越屋に頼むと安いのか高いのか?

世の中の商売は全て「不便の解消」が目的だ、と聞いたことがある。
引越は不便の極みであり、「ワンストップで用を足せる」という利便性の提供は商売の王道といえるだろう。

宅配便も含めた物流、すなわち「物を運ぶ」という仕事は、重要度を増す一方で顧客には軽んじられ、価格面で厳しい交渉に晒されていると聞く。
そうした中、「引越のついでに○○」といった付加価値を提供して利益を確保するというアートのやり方は、真っ当な企業努力と言えるのではないか。

一方の消費者は、もし価格を重視するならば、面倒でも個々に専門業者に当たるべきである。
オーダーカーテンはアート引越センターの直営のようだが、ハウスクリーニングは外注のようだから、アート引越センター経由で頼めば中間マージンを余計に支払うことになるだろう。
特に単価の高いものについて、「ついでだから引越屋に頼む」のは「手間賃を払って面倒を見てもらう」ということである、という感覚を持っておきたい。

 

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