アート引越センターに見積に来てもらったところまでは前回の記事に書いた。
その際に、「えっ」と思ったことが2点ある。
そのIKEA、運べませんよ
まず1点目。IKEAの子供用ベッド「KURA」である。
息子が小学校に上がる前、学習机などと一緒に購入したものだ。
しかし臆病な息子は、今に至るまで自室で独り寝することができず、ベッドとしての機能は果たさずじまい。スウェーデン人もびっくり、KURAは、オモチャを無造作に収納する「蔵」と化していた。
組み立てたら戻せない
閑話休題、KURAはIKEA製品であるから、ご多分に洩れず組立式である。
組立式の家具は、購入時は搬入が楽でいいのだが、いざ引越となると途方に暮れることがある。
KURAはその典型であり、組み立て前も十分に重厚長大ではあるのだが、組み立て終わると長さ2メートル、幅1メートル、高さ1.2メートルの巨体となる。そのままドアから搬出するのは、一般の戸建てではまず不可能だ。
気の利いた組立式家具だと、引越を見越して、多少の分解ができるよう配慮されているものである。
ところが、IKEAにはそうした配慮はまるでない。ドライバー1本で簡単に解体できるといった構造にはなっていないのである。「スウェーデンでは、引越の際に家具を全部新調するのが普通だ」といった説をどこかで読んだが、真偽のほどは定かではない。
いくつかのサイトを調べた結果、IKEAの家具は「行きはよいよい」である。組み立てこそ簡単だが、分解となると素人には難しいことが分かった。IKEAの家具の分解と再組み立てを行う専門業者もあるほどだ。
開口一番「IKEAありますか?」
引越業者の間でもIKEAは難物だと思われているようだ。日通など、見積依頼の電話の段階で「IKEAはありますか?」と名指しで聞いてきたほどである。そこでKURAの話をすると「見てみないと分かりませんが、最悪、壊す覚悟をしてください」と言われた。
このように、引越となると途端に厄介者となるIKEAの大型家具。だが、幸い、今回KURAは捨てていくつもりだった。だから「壊してもいいから庭まで搬出してくれ」とお願いすることにした。
これに対して、アート引越センターの反応は――?
勿体ぶるまでもなく、「壊していいなら搬出できますよ」という回答であった。
というわけで、見積当日には結果的に「えっ」とならなかったKURA。
しかし後日、「えっ」が発生するのであった。気になる方は引越当日の記事をお読みいただきたい。
粗大ゴミの処分は手伝ってもらえない
そして、もう1点の「えっ」は、ゴミの扱いである。
昨今の引越業者は、ゴミの廃棄には関われないのだそうだ。
20世紀には手伝ってもらえた
今を遡ること四半世紀前。20世紀最後に実家が引っ越した際には、粗大ゴミが文字どおり山のように出た。
その際どうしたかというと、まず引越業者のトラックで旧居からゴミを運び出した。その上で、市の粗大ゴミ処分場へ直接乗り付け、ゴミを捨てていた。
そこの市では、市民が粗大ゴミを捨てる際、自分の車で処分場へゴミを持ち込み、その場で重量に応じた料金を支払うという手段が用意されていた。この仕組みを応用したわけだ。
今回もこの要領でお願いしようと思った。ところが、廃棄物処理業者ではないのでゴミ捨ての手伝いは無理です、今はどこの引越業者もやっていません、との回答であった。
ただし、家電リサイクル法の対象製品については有料で処分してくれるという。
「旧居に仮置き」が最も簡単
では今時の引越で、粗大ゴミはどうすればいいのか?
やはり一番安く済むのは、市区町村の粗大ゴミ収集を利用することだろう。
粗大ゴミは引越当日に庭へ搬出してもらい、それを放置したまま新居へ移動する。ゴミは翌日以降、市区町村の粗大ゴミ収集車に回収してもらう。
さすがに、粗大ゴミを家の中から庭へ移動するくらいは、アート引越センターでもやってくれるという。
今回の場合、転居後もしばらく、旧居は自分の持ち物だ。数日間なら、廃棄物の仮置きは問題なくできる。
しかし、そうでない場合にはもう少し工夫が必要になるだろう。
それも困難な場合には、有料で処分業者を頼むことになる。
家によくチラシが入っているので、依頼先の業者は山のようにある。しかし広告の量が多いだけに、業者選びが難しい。安値で釣っておいて、実際に搬出を始めると追加料金を請求してくるという話も聞く。だから信頼できそうな業者を選ぶ必要があるのだが、選び方が分からない。これは引越業者の選定より難しいかもしれない。
おまけ:パナソニックのエアコンは鬼門?
あ、あと一つ「えっ」を思い出した。エアコンである。
今回、パナソニック製のエアコン2台は存置し、三菱電機製のエアコン2台は新居へ移設することにしていた。
これを見た営業氏曰く「(移設するのが)パナソニックの方でなくてよかったですね」。
そこそこ家電に詳しい方だと自負している私だが、この言葉の意味が全く分からなかった。
あとで調べてようやく真意が分かったのだが――それは転居後に触れよう。気になる方は以下の記事までスキップしていただきたい。
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