【即解約は危険?】空き家のライフライン「いつ解約するか問題」に答えを出す

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  • 家を売る場合、ライフラインはいつ解約すべきか?
  • 電気、ガス、水道、インターネットとも、転居後にも大事な役割がある
  • 基本料金を下げる工夫をしつつ、契約を残しておくのが無難

通常の転居であれば、電気、ガス、水道、電話、インターネットといったライフラインは転居日をもって軒並み解約しても問題ない。
しかし、転居後の家を他人に売るため保有し続ける場合、いきなり全部解約してよいのだろうか?

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転居後、即解約はNG

結論からいうと「場合による」のだが、これでは分かりづらい。ひとまず、ライフラインは契約を残した状態で転居するのが無難だということは言える。売却に至るまでのいくつかの場面でライフラインが必要になるからだ。
一旦解約してしまったら、あとで必要になって元に戻すのが面倒だ。

特に、私たちのように「転居後に売り出す」場合に限れば、答えは明白。転居日をもって電気、水道、ガスを解約するというのは、十中八九NGである。
というのは、いずれ住宅設備の検査を受けるはずだからだ。

最近、持ち家を売る際には保証をつけることが一般的になっている。その対象には住宅設備も含まれることが多い。
「広告には床暖房ありって書いてあったのに、入居してみたら壊れてるじゃないか!」
こういうトラブルは、売り主も買い主も回避したいもの。そこで売り主は事前に住宅設備の検査を受ける。第三者から「ちゃんと動きます」というお墨付き(保証)を得ておくわけだ。

このような保証を受ける場合、検査が終わるまでは電気、水道、ガスの契約を維持することが必須となる。
そうでなければ、たとえばガス給湯器が正常に動作するかどうかを確認できない。

電気を止めると影響が大きい

その上で、設備の検査後も解約してはならないものの筆頭が電気だと思う。

家を買おうとする人が内見に来た際を考えてみよう。部屋の薄暗い場所を見ようとして、電気をつけようとしても点灯しなかった――。これはいかにも印象が悪い。
電気が通っていても、照明器具を新居へ持っていってしまうと電気はつかない。ただ、こういう場合には不動産屋が仮の照明をつけてくれる場合が多い。ともかく電気が来ていることは絶対条件だ。

また、毎日のように部屋が真っ暗だと、空き家だということがすぐに分かってしまう。
我が家では防犯のため、一部の照明を24時間つけっぱなしにしていた。さらに、時々立ち入った際には点灯の仕方を変えていた。

以上2点だけを考えても、電気を止めるのは得策でない。

「基本料金ゼロ」の新電力を活用しよう

人が住んでいないのだから、電気の使用量は知れている。しかし通常の料金体系だと、基本料金の負担は毎月変わらない。この基本料金の存在が「一刻も早く解約したい」と思う主な理由だろう。

そこで、転居が決まったら「基本料金のない電力会社」への乗り換えをおすすめする。つまり、基本料金が0円、1kWhあたり30円などという料金体系の電力会社だ。
そんな会社あるの?と思った方、調べてみると結構見つかるものだ。電力自由化の結果、料金体系だけ見ても様々な会社が存在している。
私は「楽天でんき」に乗り換えたが、他にもまだまだある。これなら、1日1kWhの利用で電気代が月1000円程度といった感じになる。これなら納得がいくと思う。定番の電力比較サイト「エネチェンジ」等で、基本料金0円の会社を調べてみてはどうか。

ちなみに私たちの場合、家を売り出し中の期間、空き家の電気代はいかほどだったか? 月1500~2000円といったところだった。照明をつけっぱなしにしていたので、空き家の割に結構かかっている。照明を全部消せば数百円で済んだと思う。

水道も、いざという時にないと困る?

次に水道はどうか?
個人的には、これも解約しないのがよいと思う。

理由としては、引き渡しまでの間に掃除をすることがあるかもしれないからだ。
また、給湯器の凍結防止(後述)など、見えないところで水道が必要とされている可能性がある。

地域にもよるが、水道は解約しても特に閉栓の手続きがない場合が結構ある。ぶっちゃけ、解約後も使おうと思えば使えてしまうのだ。しかし、それをあてにして早期に解約するというのはまずかろう。解約するからには、「万一、水が必要になったら汲んでくる」ぐらいの覚悟がいる。
私は「何となく水道は使いそうだな」と思って契約を継続していた。が、実際にはほぼ使わなかった。あまりに使用量が少ないので、水道局から「大丈夫ですか?生きてますか?」みたいな電話がかかってきた。

冬場、ガスを止めると故障のリスクあり

そしてガス。これは今回、解約のタイミングを失敗したと思う。

ガスは転居後に使用する場面を思いつかなかった。さらに、出っぱなしにしておくと火災のリスクも増す。そこで設備点検後すぐに解約して栓を閉めてもらった。
しかし数ヶ月後、夜中にふと旧居を訪問して肝を冷やすことになった。床暖房用の給湯器がエラーを吐いて止まっていたのだ。凍結防止のために運転しようとしたら点火できなかったというのがエラーの原因らしい。気候によっては実際に凍結して配管がダメになっていた可能性がある。

この件について、詳しくは別記事を読んでいただきたい。結論として、売却活動が冬場を挟むなら解約しないのが無難だ。そして当然、電気も(場合によっては水道も)止めてはいけない。

電話とネットはさすがに不要? そうとも言い切れない理由

電話やインターネットはどうだろうか? これも私は判断を誤りかけた。

普通に考えれば、空き家に固定電話や光回線は必要ない。いざとなれば携帯電話でよい。
しかし、空き家で通信回線が必要になることもある。防犯用途だ。

詳しくは別記事に記すが、 私たちは空き家の防犯のため、ホームセキュリティを新規に契約することにした。

監視には常時接続のインターネット回線が必要だ。ホームセキュリティの導入を決めたのは転居後のこと。一方、インターネット回線の解約は転居前に手続きしていた。ホームセキュリティ契約の前に慌てて解約の手続きをストップすることになった。
たとえホームセキュリティを契約しないとしても、自前で防犯カメラを設置し、遠隔で監視するという方法は考えられる。この際にもインターネット回線は必要となる。今時、LTEや5Gでも何とかなりそうではある。が、接続が切れた場合に自動再接続するような仕組みがルータ等に入っていないと、回線断のたびに旧居へ出向く羽目になる。

特に戸建ての光回線は値が張るので、できれば早期に解約したいところだ。が、空き家の監視のことは頭に入れておいた方がいい。

 

以上、ライフラインの解約について、私自身の経験を踏まえてのアドバイスを書いてきた。
新居と旧居で固定費を二重払いする負担感は大きいが、解約の前によくよく検討した方がよい。

 

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